
照度と輝度とモノクローム
モノクロ写真は色を除いて明るさだけ写し取ったものと言う方がいます。
果たしてそうでしょうか?
「写真は何を写すか」
照度と輝度とモノクロームの関係を簡単に語ります。
モノクロの不思議
お皿の上にフルーツが並べられています。
仮にモノクローム写真が明るさだけを写しているなら、ブドウもオレンジも同じグレーでなければいけません。
しかし実際にモノクロ撮影してみると、ブドウは黒っぽく、オレンジは白っぽく写ります。
同じ皿の上で同じ量の光を浴びているのに不思議ではないですか?

照度と輝度
写真撮影において、明るさの評価は「照度」と「輝度」の2種類があります。
照度
光源から届いた絶対的な明るさの度合い。
露出計を入射光で測定したときの明るさ。
輝度
被写体の見た目の明るさの度合い。
光源の明るさが反射し目(カメラ)に届いた明るさ。
色や材質で左右される。
露出計を反射光で測定したときの明るさ。
※カメラの内蔵露出計と同じ

→写真は「輝度」差を写します。
カラー画像からモノクロの濃度を知る
色(RGB)には係数があり、カラー画像からモノクロの濃度を計算することが出来ます。
R = 0.299
G = 0.587
B = 0.114
先程のフルーツの画像のRGB情報(0~255)からモノクロ濃度を計算してみます。
ぶどう : ( R0.299 x 100 ) + ( G0.587 x 29 ) + ( B0.114 x 41 ) = 51.597
オレンジ : ( R0.299 x 229 ) + ( G0.587 x 126 ) + ( B0.114 x 0 ) = 142.433
同じ環境下でも、ぶどうよりオレンジのほうが3倍近く明るいことがわかります。

モノクロ測光とRGB測光
古いフィルムカメラの測光素子はモノクロームで輝度を受光し、それを18%グレーを基準に適正露出を割り出しています。
しかしそれでは仕組み上、ファインダーいっぱいに黄色いものを写せば明るすぎると判断し、
紫色の写せば暗すぎると判断して、適正露出を得ることが難しく、
輝度の高い/低いものを写すときには、露出補正が必須になっていました。
それが1990年代後半から「RGBマルチパターン測光」が搭載されはじめ、
RGB別々で測光判定出来るようになり、大きく測光精度が改善されることになりました。
※RGB=3原色毎に。 マルチパターン=測光エリアを区切った複数の測光素子を搭載

とは言え、完璧な測光とは言い難く、正確に被写体の明るさを測光をしたいのであれば、
色で左右される輝度ではなく、照度を判定しないといけません。
正確な再現性が求められるスタジオ撮影で、未だ露出計で入射測光を行うのはそういう理由があります。
スナップ撮影ではいちいち計算する必要はないですが、
たとえモノクロームであっても、
写真の絵作りには、カラー撮影同様に色を意識する必要がある…とそんな話でした。
