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目測で撮るマニュアル露出

その昔、昭和のオトーサンはAEのないマニュアルカメラで露出計も使わず目測で家族写真を撮っていました。
しかし現在はカメラの測光精度や処理エンジンが進化し、

便利になった反面、露出感覚というものが失われつつあります。
それなりに写真を続けている人でも、

目の前の景色をどのくらいのSS/絞りで撮れば良いのか見当がつかない人も増えています。


「光を読む」とは、

なんとなく良い写真が撮れそうな明るさを表すものではなく、

自分なりの数値(ISO/SS/Av)に言い換えられること。


より能動的な露出コントロールの一助となれば幸いです。

​※「サニー16(サニーシックスティーン)」など知られていますが、

​僕自身が「センパチ」をベースに普段使用している設定をご紹介します。

明るさの3要素

スナップ撮影において、明るさの要素は以下の3つです。
​この3つがどのように被写体を照らしているかを判断します。

これより細かい要素は敢えて考えません。

①太陽の光
太陽の明るさは地球のどこでも同じ。
​ただし、いつでも同じというわけではなく、

光が黄色みを帯びる頃には光量は落ちます。​
 

②空の明るさ・広さ / 遮断
太陽を光源としたソフトボックス。

​光源から近いほど明るく、離れれば明るさは控えめに。

​周りに高い建物が多ければ面積が小さくなり光量が落ちます。
 

③建物や地表からの日光の反射 / 遮断

​建物の壁の材質により反射が強かったり、弱かったり…。

マニュアル露出のコツ

​晴れの日・曇り・雨天の撮影

1日中使いやすいISO400の場合で説明します。

他のISOの場合は、段数を調整してください。

【日向】

快晴の日の露出設定

目をしかめるような明るさ
f8 1/2000sec
※強い日差しの快晴
※野球グラウンド、路上の照り返し

晴れの日の露出設定

日向と影の境目がクッキリ
f8 1/1000sec

 ※晴れの日の基本設定

雲が多い日の露出設定

日向と影の境目がボンヤリ

f8 1/500sec

 ※雲が多く影がぼやける

オレンジ色の日向

f8 1/250sec

​ ※景色が黄色く染まる。

夕方の露出設定

【日陰】

日陰は目が騙されやすく、注意が必要です。

明るい日陰の露出設定

照り返しで明るい日陰
f8 1/250sec
※空に加えて
​ 太陽の反射光が注ぐ日陰

基本の日陰
f5.6 1/250sec

​ ※基本の日陰とは空と環境光のみで
​ 明るさを保っている状態

標準的な日陰の露出設定

裏通りの日陰

f5.6 1/125sec

​ ※空が狭く、​太陽の光もない

路地裏の露出設定
駅ホーム撮影時の露出設定

駅ホーム

f5.6 1/60sec

​ ※屋根があり、周りの環境光のみ

​※目視ではそれほど暗くないが、
「基本の日陰」より2段も落ちる

【曇り】

日陰同様、目が騙されやすいです。

人間の目は明るいものを暗く見るよりも、暗いものを明るく見ようとするのが得意なようです。

とても明るい曇り
f8 1/500sec

​ ※雲の多い晴れと同じ
​ ※空は明るく太陽の光も

透けて見える

雲勝ちの日の露出設定

薄曇り
f8 1/250sec

​ ※明るさがあり、雨の心配のない曇り
※でも太陽の位置は正確にはわからない

薄曇りの日の露出設定

基本の曇り
f5.6 1/250sec

​ ※「基本の日陰」と同じ
※太陽の位置は全くわからない

曇りの日の露出設定
暗くなり始めた曇りの日の露出設定

空が暗い曇り
f5.6 1/125sec

​ ※雨の予感がする
※基本の曇りが夕方になった

かなり暗い曇り
f5.6 1/60sec

※嵐の前のような​ 
※時間間隔が分からない
全体に暗さを感じるが、

人の顔や明るい色の服は

浮き上がって見える

やや暗い曇りの日の露出設定

日没時間の曇り
f4 1/60sec

※全体に暗さを感じる
※明るい色も暗く見えはじめる

夕方~​夜間・室内の撮影

暗い曇りの日の露出設定

夕方は露出が短時間で落ちていきますので注意が必要です。
一方、夜間や室内は難易度高めに考えがちですが、
パターンを覚えればそれほど難しくありません。
​ただ手ブレには気をつけてください。

【夕方】(街)

太陽が傾き始めると目視以上に露出は急速に落ちていきます。
日向の面積は少なくなり太陽は建物の彼方、頭上の空も日中のような輝きはなくなります。

​「基本の日陰」よりも暗さを感じたら夕方の始まりです

太陽はビルの彼方
f5.6 1/125sec

※気づきにくいので注意。

※日向は残るが限定的。

​※頭上の空の輝きに勢いがなくなる

アセット 24-100.jpg

そろそろ日没時間
f5.6 1/60sec

※日向はほぼ消えた
※頭上の空が明るくない
​※「基本の日陰」より暗さを感じる。
​※人の顔は明るさを保っている

アセット 25-100.jpg

【夜間】

繁華街や飲み屋街で撮影する時は、
絞りをf2.8に固定して「明るければ1/60」、「柔らかければ1/30」でシャッターを切れば、概ね綺麗に撮れます。

マニュアル露出だと光源に露出が引っ張られないので現代のカメラでもアガリが安定します。

夜間撮影の露出設定

夜のコンビニ入口
f2.8 1/125sec

※沢山の広い面積の光源に照らされる

夜間撮影の露出設定その2

明るい店前に立つ
f2.8 1/60sec

※自販機前
​※チェーン店の明るい看板前

ネオン看板の前
f2.8 1/30sec

※柔らかい明かりに顔が照らされる

夜間撮影の露出設定その3

暗い明かり
f2 1/30sec

※電球やローソクの明かりに浮かぶ顔

夜間撮影の露出設定その4

【室内】

ストロボ無しで鮮明に撮るには限界もありますが、
雰囲気を残したスナップであれば意外と撮れてしまいます。

明るい窓際
f5.6 1/125sec

※照り返しも窓辺に注ぐ
​※白ホリの室内

窓際のポートレート撮影

明るい室内
f2.8 1/60sec

※外光なし
​※現代的な明るい室内

室内撮影の露出設定
室内撮影の露出設定その3

昭和室内(足元)
f2 1/30sec

※外光なし
※一般室内の足元

北向きの窓辺
f5.6 1/60sec

※環境光が柔らかく注ぐ
​※ベストポートレートシーン

窓際のポートレート撮影その2

昭和の室内
f2.8 1/30sec

※外光なし
※一般的な住宅の室内照明

室内撮影の露出設定その2
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アセット 1.png

​日常スナップで出会うシーンを網羅して紹介しました。

何が何でもマニュアル露出で撮れという意図はなく、
フィルムカメラ時代のAEは発展途上で、
必ずしも正しい露出を判定出来るわけではなく、
シャッターを切る前に誤判定に気づいたり、
​創作的な意図で露出をコントロールする助けになれば良いなと思っています。

 

露出計のないカメラをお使いの場合は、デジタルカメラで練習して感覚を掴むのが早道です。

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