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01.フィルムの魅力
カメラは長い期間フィルムを通して写真を作ってきました。
プロ、アマ、老若男女、写真を撮ること=フィルムに像を焼き付ける行為で、ごく当たり前のプロセスでした。
そしてカメラがデジタル化し、2000年をピークにフィルムは一転過去のものになりました。
フィルム需要は落ち込み、今やカメラといえばデジタルが常識です。
その時代になぜフィルムで撮るのでしょう?
光を紡ぐ創作性
フィルムならではの色味…とか、粒状感が…とかここでは言いません。
フィルム撮影ではシャッターが開いた瞬間、フィルムに届いた光が乳剤に化学変化を起こさせ
目に見えない痕跡を残します(潜像といいます)。
その後、現像工程を経ることにより像を浮かび上がらせ固定します。
そしてプリントするときにはフィルムを光で透かして感光紙に焼き付けます。
(考え方によっては2度撮影するようなものですね)
そこには光と化学変化しかありませんが、
光の痕跡を引き継いだ結果、写真が出来上がります。
眼の前の景色を写し取るためのアナログな知恵と技術、
僕はこの工程に大きなリスペクトとロマンを感じます。
デジタルカメラはセンサーが受けた受光情報を人が作ったアルゴリズムで像を生成します。
勿論メーカーは威信にかけて高度なアルゴリズムを設計しますが、
時々「光の痕跡」が途切れてしまったように感じてしまう時があるのです。
フィルム規格の奇跡
ライカ判と言われた135フィルムをコダックがパトローネ装填済で
ロールフィルムとして販売したのは1934年。
(中判として馴染みがある120フィルムは1901年!)
その後、この規格は乳剤の進化を続けながらユーザーに支持され続け、
現在もスタンダードな規格として販売されています。
この奇跡があったからこそ、
たとえ戦前のカメラであっても整備さえされていれば、
気軽に一般ユーザーが使えてしまいます。
第二次世界大戦前の規格ですよ?
零戦や戦艦大和より昔のクラシックカメラが今も使える!
普通に考えてスゴい幸運なことだと思いませんか?

フィルムカメラのプリミティブな楽しさ
フィルムと少し話が逸れますが、フィルムカメラは設計が古いです。
手振れ補正はついていないですし、
AEもAFも現在のレベルと比べればオモチャみたいなものです。
おまけに上手く撮れたかどうかは現像してみないとわからない。
撮影者が必要な手順や設定を理解し実行することによって
初めて求めていた写真が撮れます。
面倒くさいと言ってしまえばそこで終わりですが、
そこはクラッシックカーと現代のクルマの楽しさの違いみたいなもの。
ABSもパワステもついていない、誤った乗り方をすればスムースに走れない。
季節や高度によってもエンジン始動のコツも変わってきます。
フィルムカメラで撮る時は、
手ブレやAEの読み違いのリスクを把握し対応する必要があります。
シャドウを持ち上げるような補正も行われないので
被写体の明暗差にも気を配る必要があります。
しかし、その「お作法」は写真作りに向き合うキッカケになりますし、
そこで得た経験や知識は現代のデジタルカメラの撮影時にもきっと役に立つと思います。
